イルカについて
海で自由に泳ぐイルカのように
沖縄県自立生活センターとして1995年に新門登氏を代表として任意団体を立ち上げ、1999年に彼のサポート体制を確立するためにNPO法人を取得し、現在に至ります。
今年の5月にはイルカ前代表・新門氏の13回忌で、6月の定例会では彼の自立生活の運動のようすや生き方をVTRにして、彼を知る人は思い出を語り、彼を知らない世代も歴史から学ぶことができました。
前代表の新門氏が生前言葉にしていたことは、「どんなに重度の障害者でも地域生活を可能にするよう、行政に働きかけていこう。自分たちはまだ言葉が言える障害者だが、今後は重複障害をもつ人でも、医療ケアを必要とする人たちでも、地域生活ができるようにみんなで力を合わせて頑張ろう」でした。
2008年、自立生活センター・イルカは『障がいのある人もない人もいのち輝く条例づくりの会』と協働し、障害当事者を中心に、インクルーシブ社会条例を作るためにはたらきかけを始めました。条例案の策定、沖縄本島を縦断する【うちなートライ】の実施(2010年4月22日~5月18日)、3万名を超える条例制定賛同署名を集めるなど、条例の制定へ向けて文字通り奔走してきました。2013年10月に県議会で可決され、2014年4月に施行された条例は、沖縄県内の障害当事者の魂が込められた市民運動の結晶である点で、全国的に見ても画期的な条例と言われています。
15年前から沖縄では心身障害者(身体・知的)の自立に向けて、取り組んでいるところです。心身障害者の自立生活については、日本の中でも情報や取り組みが少ないため、施設やグループホームありきの自立という偏りが見られます。親なき後も「その人らしい生活」というよりも、家族や支援者が安心したいがための将来設計になることが多く、それを私たちは問題視しています。
15年前から支援をしている方は、2年前から地域でアパートを借りて自立生活がスタート。介助者の育成はじっくり時間をかけていますが、日々やりたいことをやりたいように選択し生活しています。
現在は次世代の育成にあたり、特別支援学校の学生と積極的に関わるようになっています。
総合学習の時間を使い、特別支援学校を卒業した先輩の自立についての話を聞いたり、地域で生活する方法や制度活用についてを語る会を企画したりしています。地域での自立生活に興味が湧いた生徒は、進路の先生を通じて職場体験や実習ができる環境を整えています。実際の実習では、地域生活をしている先輩のお宅を訪問したり、路線バスに乗って外出をしたり、銀行口座を作って管理をはじめたり、メニューを考えて買い出しに行き調理を行ったり、やりたいことを楽しく行うことを目標としています。そして学校が長期休みの時には、家族を巻き込みながら自立生活に向けて個別に自立体験を行っています。
■ 理念(Philosophy)
●重度障害者をはじめとする誰もが尊重(そんちょう)され、
「自分らしく生きる」ことができる社会をめざす。
●私たちは、自立生活の実現を通じて、
すべての人権を守り、「共に生きる社会」を築いて(きずいて)いくさ~。
■ 方針(Policy)
•当事者主体
障害当事者が中心となり、共にと補い合い(おぎないあい)、支え合いながら(ささえあいながら)
一緒に目標をめざすさ~。
•権利の尊重
障害者の自己決定・自由・尊厳を守ることを最優先とするさ~。
•対話と協働
誰もが違うことを理解し、対話を重ねてより良い関係づくりをしていきます。
誰もが自分らしく働けるようにしていきます。
•伴走型支援かつ並走型支援
支援する/されるの関係に縛られず、持ちつ持たれつ共に歩み、共に考える姿勢で自立生活を支えます。
•継続と変革/改革
重度障害者をはじめとする誰もがその人らしい自立生活を実現し、その実践を通して地域社会の理解を広げ、制度や意識を変えていきます。
「権利の尊重」とは、自分の人生を自分で選び、決める権利を意味します。
たとえ他の人から「愚(おろ)か」だと思われる行為であっても、他者に危害を与えない限り、その選択は尊重されます。
つまり――
「失敗する自由」や「選び間違える自由」も、人が人らしく生きるために欠かせない権利なのです。
具体例
•生活の選択権(外出・食事・学び・人間関係)
•愚行権(お酒・たばこ・アイスクリーム・転ぶリスク・挑戦する自由)
たとえ失敗しても、無駄に思えても、「自分で選ぶこと」にこそ意味がある。
それが “愚行権”=人が人らしく生きる自由 です。
自立生活センターとは?
1972年、カリフォルニア州バークレーに、障害者自身が運営し、障害者に介助者サービスなどを提供する 「自立生活センター(Center for independent living, 以下「CIL」)」が初めて設立されました。その後1980年代以降、CILは日本にも急速に広がり、現在では全国130ヵ所前後のCILが活動しています


